このページは、病気の事・予防医学など、動物達に関する事について、
飼い主の皆様にぜひとも覚えておいていただきたい「大切なおはなし」を、いつでもご覧いただけるようにアーカイブ形式にしています。

「あれはどういうことだったかな?」「あの病気ってどういう症状だったかな?」
「フィラリアっていつからお薬を始めるのかな?」「こういう時、どうしたらよいの?」
など、疑問に思った時にいつでもここを開いてご覧ください。

食物アレルギーによる皮膚病について

『犬猫が皮膚を痒がる』といった場合、原因はさまざまです。
ときに、飼っている犬猫が痒いと『ノミがいる』あるいは『アレルギー』と確定診断をつけて(^^;)動物病院にいらっしゃる方がおられますが、ちゃんと検査して原因を調べることをお勧めします。
それから、『アレルギー用の食事』というのが販売されていますが、『何に対するアレルギーなのか』を調べずにそのフードを食べても、治るどころかかえって悪化することもあり得ます。

【食物アレルギーとは】
体は、ウイルスや細菌などの異物が体内に入ってきたときに、これらを撃退するための『免疫』という仕組みが備わっています。
この免疫の仕組みが過敏になり過ぎて、食べ物や花粉・ノミなどに対して過剰反応してしまうことがあります。
過剰反応すると、異物とともに自分自身を傷つけたり、炎症が続いて様々な症状が現れます。これが『アレルギー』です。
その中で、食べ物が原因のものを『食物アレルギー』あるいは『食物過敏症』と言います。

【症状】
異常な炎症が続くことになるので、さまざまな皮膚症状(痛み・痒み・赤みなど)や消化器症状(下痢・嘔吐・えずきなど)がおこります。
犬では、食物アレルギーと診断されたうち30〜50%は一歳未満で発症していると言われています。
つまり、若い犬で上記の症状があれば、食物アレルギーの可能性も高い訳です。

【検査】
さまざまな検査をして、あるいは特殊な食事を食べさせてみて、診断に至ります。
1回の診察ではっきり『食物アレルギーである』と診断されるケースは稀です。

【治療】
どの食べ物に対してアレルギーなのかが明確にわかる場合は、その食べ物を避けることが治療になります。
ここで初めて、その食物の入っていない『アレルギー食』を食べることになります。
痒みが酷い場合、皮膚に細菌感染も起こしているため、抗生物質を処方することもあります。
また、痒いが治まらないときには、痒みをとめる薬を一時的に処方いたします。



*食物アレルギーが疑われる小太郎ちゃん

写真はパピヨンの三好小太郎ちゃんです。今年の5月に皮膚に湿疹ができ、来院されました。
口の周りも赤くなり、腰からしっぽの付け根の部分は脱毛と赤いポツポツがみられました。
まずは、真菌(カビ)やダニがいないかを調べましたが、いませんでした。念のために、ノミ・マダニの予防薬を処方しましたが、変化はありませんでいた。
甲状腺等のホルモン異常で皮膚病になることもあるので、そちらも検査いたしましたが、特に異常はみられませんでした。
もう一度詳しくお話を伺うことにいたしました。すると、小太郎ちゃんはダイニングテーブルの上にのって、人の食事をいろいろ盗み食いしていることがわかりました。
そして、どっさりチーズや卵を食べた後には必ず、皮膚の湿疹が酷くなっていることも判明しました。
もしかすると、その食べ物に対してアレルギー反応を起こしているかもしれません。
ということで、アレルギー除去食のみ与えていただくことになりました。
血液を採って検査をすれば、何に対するアレルギーなのかはよくわかりますが、料金が高い検査なので、今回は見送りました。
4ヵ月後には、口の周りの赤みも消え、脱毛していた皮膚も毛が生えてきれいになってきました。
これからも、ノミ・マダニの予防と、食事の管理をしていただくことになっています。

食物アレルギーに関しては、とても強い痒みが生じます。また、下痢や嘔吐の消化器症状がみられる場合も有ります。
早めに原因を確かめて治療して、苦痛をなくしてあげたいですね。


文責:田辺獣医科病院


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